焦らず対処できる心電図(リズム不整の不整脈編part2)

心電図




前回に続き、リズム不整の不整脈について述べていきます。part2の今回は心房粗動について早速書いていきます。リズム不整についてはpart1の記事に目を通してみてください。

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心房粗動について

心房粗動とは、心房細動とは異なり右房内を周回する回路を持つ不整脈です。期外刺激がリエントリー回路に加わり電気信号として伝わる病態です。

1つのリエントリー回路であるため、心電図上ではR-R間隔は整の時もあります。しかし、房室での伝わり方次第では不整となることもあり、表記としては2:1や3:1(伝導の伝わり方→2回に1回心室へ伝導、3回に1回心室へ伝導と理解できます)となります。心房のレートが300回/分であることから、300÷伝導の伝わり方でおおよその心拍数が分かります。ex.2:1の伝導の場合、300÷2で心拍数150回/分となります。ただし、抗不整脈薬やβ遮断薬を使用していると、その心拍数より下回るので注意が必要です。

心房粗動の治療について

心房粗動の治療は心房細動に準じて行われることが多いですが、伝導が1:1となる場合は緊急的な処置が必要となります。

また、心房粗動についてはカテーテルアブレーションによる治療が再発予防率が心房細動と比較し、有意に高いことが研究でわかってきています。

看護のポイント

心房粗動をキャッチした場合は、まずは伝導比率を確認しその後にリズムコントロールを行うか、レートコントロールを行うかの治療方針を確認し対応していくこととなります。心房細動と共に動悸の自覚には注意を払っていきましょう。

伝導としては一定を保っているため、橈骨動脈上では脈の不整はみられないことが多いです。(伝導が3−4:1と一定でない場合は不整があります。)

心房細動と合併することもあり、その際には波形の変化に注意し観察を続けるとともに治療方針に従い治療を行っていきます。


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