焦らず対処できる心電図(リズム不整の不整脈編part1)

心電図




前回は致死的不整脈について記述していきました。

今回は前回に続き不整脈について、いわゆるところのリズム不整の不整脈について記述していきます。

引き続き、心電図がなんとなく苦手な方や興味はあるけど何からやれば良いか取っ掛かりの掴めない方に対してわかりやすくしていきます!

リズム不整の不整脈とは

脈の回数の増減によるレート不整による不整脈(PSVTや洞調律の頻脈等)と、脈の回数に関わらず脈の出方が一定でないリズム不整の不整脈(心房細動や心房粗動等)とがあります。ここでは後者のリズム不整の不整脈について深堀りしていきましょう。

心房細動と心房粗動

リズム不整の不整脈の中で特に有名なのが心房細動と心房粗動です。それぞれ発生のメカニズムが異なり、判別の仕方も違います。これから分けて詳しく見ていきましょう。

心房細動について

心房細動は心房内の様々な場所でリエントリー回路(電気信号の通り道が正常とは別にありグルグルと周回する場所のこと)が発生し、この電気信号が不規則的に房室結節を通るためリズムの不整が発生します。

心電図のR-R間の不整は不規則的に房室結節を通ることにより発生し、心房細動と読み解くためのエッセンスの一つとなっています。また、心房内のリエントリー回路を通った電気は、f波としてみることができます。理解しやすくするならば、f波は、心房内の様々な箇所で発生したP波がたくさんに重なって出来ているとも言えますね。(P波が判別できないということも併せて覚えていきましょう)

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心房細動の治療について

心房細動の治療法はリズムコントロールとレートコントロールに大別されます。

リズムコントロールとは

リズムコントロールとは、心房細動を洞調律へ根本的に変えていく治療となります。主に

  • カテーテルアブレーション
  • 除細動(電気ショック)
  • 薬物治療

となります。

カテーテルアブレーションは、リエントリーの発生源となりやすい肺静脈4本の周辺を電気信号が途絶するように焼灼していきます。除細動は高電圧のショックにより強制的に電気信号を元の回路に戻す方法です。薬物治療は抗不整脈薬を投与することにより、電解質に働きかけ不整脈を止めていく方法です。全てにおいて、治療前に心臓エコー等で心房内血栓がないことを確認した上で行われます。

除細動に関しては、一時的に鎮静をかけて行うため酸素投与で呼吸抑制に対して対応を行なっていくことが大切となります。除細動後の跡は火傷となっているため、ゲンタマイシンやゲーベン©︎クリームといった火傷に対しての治療も併せて行うことも忘れないようにしましょう。

薬物治療は、ワソラン©︎(ベラパミル塩酸塩)やシベノール©︎(シベンゾリンコハク酸塩)等が主に用いられます。リズムが変化する際には、循環動態の変化が起こることがあり血圧や酸素飽和度、意識状態の変化に注意し観察を行っていきましょう。見えない血栓が末梢や中枢に詰まることもあるため、経時での麻痺や構音障害に注意していくことも忘れないようにしましょう!

レートコントロールとは

レートコントロールとは、心房細動が慢性化し洞調律へ戻りにくいと判断されたり、心不全の要因となり早急なコントロール(頻脈性心房細動に対して行われる)を要する際に行われていきます。

レートコントロールは主に、リズムコントロール時に用いられる薬剤のベラパミルやシベンゾリンが用いられることがあります。また、ベータブロッカーを用いて行われることもありますが、急性期の心不全では心不全増悪につながることもあり、急性期心不全が合併している場合にはATPなどが使われることがあります。(ベータブロッカーの点滴としてオノアクト©︎が用いられることも多いですが)

レートコントロールの目的としては、頻脈を抑えることで心臓に対する前・後負荷を軽減し、心臓を休めていくことで結果として心不全の増悪や循環動態の破綻を予防する効果があります。

まとめ

心房細動に対しては根本的治療のリズムコントロールと、対症的治療のレートコントロールがあります。それぞれがその時の患者さんの状態に合わせた治療となるため、なぜその治療を行うかまたは行っているかの医師の治療方針を読めるようにしていきましょう。

心房粗動については次回に書いていきます。




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