臨床で循環器疾患に関わることが多いのでまとめていきます。
心電図がなんとなく苦手としていたり、興味があるけどどこから学んでいけばいいかわからないといった方に向けて発信していきます。
まず、心電図とは12誘導心電図(ECGとも表記されます)やホルター心電図等があります。ここでは療養患者に対して観察として行われている心電図モニタについて解説していきます。
心電図モニタとは
心電図モニタは2個の誘導電極と1個のアースを用いて、心臓の表層を通る微弱な電気を拾って波の形に表示しています。ここでは、心電図モニタについて観察できる不整脈について述べていきます。
発症した際の対処を焦らずに行っていけるように、構えができるような知識を交え臨床で個人的に使用している方法を書いていきます。
重要な波形と対処について
心電図は、主として疾患やストレスがかかることによって発生する不整脈を発見するために装着されています。
- 重要な波形とは
全ての不整脈は基礎疾患や器質的な問題から発生しており(中には遺伝的なものもありますが)、すべての不整脈は重要な要素となります。その不整脈の中で、緊急性があり即座に対処をしないと命に関わることがあり、今回はそれを取り上げます。それは心室細動(以下Vf)と心室頻拍(以下Vt)です。
- 対処とは
Vf時の対処
Vfに関しては発見次第速やかに胸骨圧迫を行い、ルート確保をおこないます。酸素を接続したアンビューバックで換気を行い、その間に他看護師が医師への連絡と除細動の準備をおこないます。除細動のショックの強さはその場で医師に確認し設定していきます。除細動は同期(心拍数と機械を合わせること)を行わずにパドルでショックをかけていきます。(主には医師が行います)
確保したルートからは抗不整脈薬や強心薬(アドレナリン)・pH調整剤を指示のもと投与をしていきます。
Vt時の対処
Vtに関しては持続するVt(sustained vt)と持続しないVt(non-sustained vt)、無脈性と有脈性とがあります。判別としては30秒持続するかどうかですが、それを待っている間にできることがありますね!
Vtが起こった時にはまずは意識があるかの確認を行い、橈骨動脈が触知できるかどうか診ていきます。意識の有無、脈の有無によって循環動態が保たれているかどうかの確認ができるので積極的に診ていきましょう!
対処としては、無脈性では血行動態が保たれず生命の危険があるため除細動や胸骨圧迫をおこなっていく必要があります(Vfに記載した内容と同様の対処となります)。有脈性で意識があり、経過を見ながら対応できる場合は抗不整脈薬を投与し経過見ていきます。この際は、アミオダロンやリドカインの微量滴下が主となりますが、12誘導の波形次第ではベラパミルを使用していくこともあります。
発症後の管理について
発症し、処置を行い止まったからよしではなく、一度起こったことは今後も発症する確率は高くなります。そのため、発症後の管理として薬剤や医療機材を用いて管理を行っていくことになります。
・薬物治療
薬物に関しては、主に微量点滴で使われたアミオダロンが用いられることが多いですが、QT延長や徐脈を副作用として持ち合わせており、内臓機能や年齢を考慮し用量が決められていきます。そのほかにはメキシチールやベータブロッカーが選択されることもあります。どれも強力な内服薬(一部外用薬もあり)となるため薬効が出ているかはもちろんですが、副作用に注意し経過を見ていく必要があります。
・ICD
VfやVtが頻発し、内服や点滴でのコントロールが出来ない場合突然死の恐れがあります。その場合には除細動機能のついたペースメーカを挿入し対処することもあります。挿入の際には切開を行うため出血傾向がないか、内服を行なっていないか、切開予定の部位に皮膚炎等の疾患がないか、糖尿病のコントロールがついているかといったことも確認しておきましょう。
まとめ
どちらも医師への速やかなコールが必要ですが、意識があり脈がある場合にはルート確保の上除細動の準備を行い慎重な観察をしていきます。意識がなく脈がない場合(無脈性心室頻拍)にはVfにも記した内容に沿って対応を行っていきます。
ノイズや歯磨きVt等との鑑別が難しかったりして対応に苦慮しやすいですが、パッとみて分かることの方が少ないので、モニターのアラームが出た時には患者さんのところへ訪室して状態を確認するようにしましょう。
また、日頃から観察する際にルートキープされているか、不整脈が起こりやすい器質的な問題(大動脈弁狭窄等の弁膜症や心筋梗塞後等)があるかの情報収集も行っていくとより焦らずに対処を行えるため、受け持ちとなった際には既往等の情報収集も忘れずに行っていきましょう。
次回は致死的ではないのですが、押さえておいてほしい不整脈について書いていこうと思います。
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